伝 統 鴨 猟「無 双 網」
江戸時代から伝わる
小郡の伝統鴨猟
「無双網」
秋の彼岸のころを過ぎると、鴨は
シベリアから寒さを避けてここ小郡へと渡ってきます。
鴨は日本古来の身近な食材で、江戸時代には小郡の御猟場が有馬藩の管理下にあった為、
小郡にも様々な鴨料理が伝統的な鴨猟と共に、代々伝わってきました。(鴨上納古文書)
明治以降になると、廃藩置県により鴨猟のため池が入札で管理され、
庶民の冬場のご馳走として鴨料理が盛んになりました。
需要を賄うため鉄砲による鴨猟が支流となりましたが、
さとう別荘では、「無双網」で捕獲した「鴨」を使うことを、
何よりも大切にしています。
無双網鴨猟にこだわる理由
筑後平野の北部に位置する小郡市は、自然豊かな田園地帯です。この地域にはため池や雑木林が点在し、鴨が隠れ住むのに適した場所です。江戸時代には有馬藩の御用猟場として、明治以降も鴨の猟場として保護されてきました。
現在は土地開発が進み、鴨が飛来する場所が減ってきました。それでも無双網猟にこだわる理由は、鴨本来の味わいを引き出すためです。
伝統的な鴨猟「無双網猟」で捕獲する鴨は、肉が傷んだり、生臭さやクセがないため、鴨本来の味をそのまま味わうことができます。
鴨肉にはコレステロールが少なく、不飽和脂肪酸やリン、鉄分、ビタミンB1、B2等が豊富なため、美容や生活習慣病の予防、貧血予防・改善など美容と 健康に効果的なヘルシーな食材です。
国の登録有形文化財となった佇まいで、四季を感じる庭園を眺めながら 天然の鴨料理をご堪能下さい。
伝統鴨猟「無双網」
「無双網」による捕獲
地域により「無双網」猟法は異なりますが、小郡での「無双網猟」には「昼とり」と「夜とり」の2種類があります。鴨が朝夕に餌を食べる習慣を利用したもので、猟場は山中の溜池、道具は、竹と網による幅1m、長さ20m程の細長い仕掛けです。鴨がやってくると、事前に沈んだ「呼び餌」を食べながら、追加で巻かれた撒餌で仕掛けのある網場へと誘導されます。
鴨が網場に群がった頃合いを見て、隠れた場所から仕掛けを引くと、テコの原理で網が被り「一網打尽」で鴨を捕獲します。時間をかけて相手が網場に来てくれるのを待ち、生け捕りにした後に素早く〆ることにより、血液などが肉質や風味に与える影響を低減させることができます。
呼び餌
野生の鴨は敏感なため、狩りの数日前から、狩場の池に米籾を水で混ぜて水中に沈むようにした餌「呼び餌」を撒餌して、無双網を仕掛け、鴨を待ちます。捕獲までに複数の餌を撒き、網場へと誘導します。
捕獲
無双網を仕掛けた後、鴨からは見えない場所に用意してある見張り小屋に隠れ、鴨が来るのを待ち、ころあいを見はかり、無双網の仕掛け(針金)を引くと文字通り一網打尽で鴨が捕獲されます。網のため傷も最小限です。
鴨の種類
マガモ全長53cm(雌)〜61cm(雄)。雄は首の羽色が暗緑色なので、『アオクビ』とも呼ばれている。
・オナガガモ 全長53cm(雌)〜75cm(雄)。尾羽が長く、美しい中型である。
・ ヒドリガモ 全長46cm。 中型で、頭頚部が栗色をしており、『アカガシラ』とも呼ばれている。